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​川崎市障害児就学訴訟について

●概要

2018年4月で小学校に入学する子どもとその保護者2名が、障害を理由に地元の公立小学校への就学を認めないことは違法だとして、2018年7月11日に川崎市と神奈川県を相手どり、横浜地裁に訴訟を起こした。
その子どもは先天性ミオパチーと診断されており、筋力が弱く、車椅子で行動している。また、人工呼吸器をつけており、たんの吸引などの医療ケアが必要である。そのため、就学するうえでもそのような医療ケアは必要となる。
 保護者は子どもを地域の普通学校へ通わせてやりたいと考え、また主治医から「地元小学校へ通学可能」だと聞き、地元小学校への進学を2017年11月に希望した。しかし、2018年2月に川崎市教育委員会は「特別支援学校での専門的教育が必要」だとし、3月には神奈川県教育委員会が子どもの就学先を特別支援学校と指定した。子どもの父親は2020年9月12日の第一回口頭弁論でなぜ市教委は特別支援学校でなければ安心安全に過ごせないと断定したのかと疑問を述べていた。

●1審判決

 横浜地方裁判所は2020年3月18日、就学先を特別支援学校に指定したのは違法だとして神奈川県および川崎市を訴えた原告の主張を退けた。
 判決では、障害者権利条約について触れられていない。どうすれば障害者権利条約の意図に沿うように原告が普通学級に就学できるのかは全く検討されなかった。証人尋問で述べられていた合意形成の過程も、検討されなかった。傍聴者からは「北海道では今年、特別支援学校から普通学校へ転校できた人がいる。なぜ川崎市はダメなのか」といった意見が出た。原告は控訴している。現在、原告は東京都に引っ越し普通学校に通っている。

 →判決の内容(Googleブログへ)

●抗議・声明文など

〇テレビ

・NHKハートネットテレビ「ぼくは学校に行きたい ~医療的ケア児とインクルーシブ教育~」記事公開日:2020年03月13日

https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/324/

 

〇新聞記事

・2020年3月14日 神奈川新聞「共生を求めて(1)子どもの輪に入りたい」https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-299372.html

 

・2020年1月9日 神奈川新聞「『共生の機会奪ってる』障害児就学訴訟が結審、3月判決」https://www.kanaloco.jp/news/social/entry-239175.html

 

・2020年3月19日 東京新聞 「障害児の希望校、認めず 就学先指定『差別なし』横浜地裁判決」https://www.tokyo-np.co.jp/article/17481

 

・2020年7月14日 朝日新聞デジタル(有料会員記事)「8歳の願い、世田谷に転居で実現 人工呼吸器で公立小へ」https://www.asahi.com/articles/ASN7F75SYN7FULOB00Y.html

 

・2020年10月23日 朝日新聞デジタル「医療的ケア児、就学先めぐり平行線 両親と相模原市教委」https://www.asahi.com/articles/ASNBQ6W42NB1ULOB01V.html

 

・2020年12月15日 神奈川新聞 「原告『共に学ぶ機会、川崎市が奪った』重度障害児就学訴訟」https://www.kanaloco.jp/news/social/article-335191.html

 

・2020年12月24日 毎日新聞(有料記事) 回想2020 「相模原事件と川崎市立小の就学拒否 「共生社会」はどこに 障害者/健常者、排除されぬ壁」/神奈川神奈川

https://mainichi.jp/articles/20201224/ddl/k14/040/107000c

〇特集記事

・2020年3月20日 ダイヤモンド・オンライン「『人工呼吸器でも普通学級で学びたい』重度障害児の訴えはなぜ退けられたか」福原麻希  https://diamond.jp/articles/-/232335

 

・2020年12月31日 ダイヤモンド・オンライン「普通学校の医療的ケア児受け入れ、川崎市でなく世田谷区で可能だった理由」福原麻希 https://diamond.jp/articles/-/258251

 

・2020年7月21日 参議院議員船後靖彦オフィシャルサイト「呼吸器をつけた児童の転校について」https://yasuhiko-funago.jp/page-200717/

●報道

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